神話をリアルに捉らえつつ、ラストのどんでん返しに備えろ!”ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソン主演、映画『ヘラクレス』をレビュー!

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

どーもー、ヒーロー屋です。

 ジンジャーエールっす。

今回の英雄百景は神話の映画をレビューするよ!

 へ~、でも神話の映画っておもしろいのあったっけ。

確かに歴史ものと違って神話はそのまま映画化しても、見てるほうが置いてけぼりにされかねないからね。だからだいたい神話をもとにしたオリジナルストーリーになるんだけど、今回取り上げる映画『ヘラクレス』はその辺の事情を逆手にとった感があって好きな映画なんだ。

 ふ~ん。ヘラクレスっていうとギリシア神話か。

そう。ゲーム『ゴッド・オブ・ウォーIII』にも敵としてだけど出てきたし、ディズニー映画にもなってたからわりとメジャーな英雄だよね。

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 あとカブトムシ!

要はマッチョでつよ~いイメージ。ある意味みんながイメージするようなアメコミヒーローのご先祖様的な存在かもね。

 スーパーマンとか。

ていうか実はこの映画、原作があるんだってさ。『Hercules: The Thracian Wars』っていうグラフィック・ノベル、要はアメコミなんだけど、表紙からもカッコよさが伝わってくるよね!

出展:Hercules – Radical Publishing

 ちょっと『コブラ』な感じ?

彩色はきれいだしね。Amazonなら数ページ試し読みもできるし、Kindle版もあるから興味があって、英語でも気にしない人はどうぞだね。

ちなみにこの映画は公開時に映画館で見たけど、今回はAmazonプライム・ビデオで視聴したよ。今回もネタバレ全開だよ!

あらすじだよ

主神ゼウスの息子にして伝説の英雄 ヘラクレス

彼の成し遂げた12の功業は全ギリシアに鳴り響き、

その名を知らぬものはいないほどだったが、

実はそれは彼を長とする傭兵部隊の宣伝効果によるものであり、

その英雄譚もチームで成し遂げてきた戦績であった。

紀元前358年!

トラキアの王 コテュスに雇われ、軍を鍛え、

強敵を撃退するヘラクレスたち傭兵団。

しかし彼らが勝利をもたらしたトラキア王の実態は、

彼らが信じた正義とは真逆の方向に捻じ曲げられていた!

 

アメリカメタファー

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

 ていうか紀元前358年て、ずい分細かく設定されてるんだな。

なぜなら史実でトラキア王コテュス(コティス1世)がお亡くなりになってるからね。

 あー、ラスボスの。

多分原作コミックの設定を踏襲したんだろうけどねぇ。

 じゃあそのトラキア王が最初は善人に見えて実は悪者だったってのも・・・

多分原作どおりなんじゃね?アメコミって結構政治的なネタ好きっぽいし。

 セージ?

国のために戦ってきたけれど、果たして自分たちが命がけで支えるその国とか政府とかがもし間違いを犯していたら?って。

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

 でもそれ今さらっぽくね?ベトナム戦争のあとで映画『プラトーン』とかでも表現されてたよね。自分たちの政府が掲げる大儀への疑問てやつは。

それからも戦争は続いてっからねぇ。アメリカは戦い続けてるんよ。だからアメリカのエンターテイメント、特にアメコミヒーローたちは常に自分たちの正義について問い続けてるんじゃないかな。

 ほ、ほ~?

とはいえですよ。

この映画自体はそこまで堅苦しくも、重苦しくもない、痛快エンターテイメントなノリだから。あくまでそうした正義と真実論は映画のスパイスとしての隠し味だから。

 ノーテンキなノリ?

予告編だとそう見えるし、構成自体はそうかもだけど、僕としてはかならずしもそうじゃないって思うんよ。

特に主役のヘラクレスのどこか疲れたようなさびしげなまなざしがそう感じさせるのかも。

出展:Hercules (2014) – IMDb

 マッチョなのに疲れてんの?ロック様やぞ。あ、戦い続けて疲れてきたアメリカのメタファー?

いやアメリカはもういいって。

 自分で言ったくせに。

単なるマッチョじゃないってことさ。戦うときは腕力に物を言わせてるけど、意外に人の心の痛みに敏感なんよ。やさしみにあふれてる。でもそれが過去の心の傷からきてるというある種理想的なヒーロー像ではあるね。

 過去に何が?

その辺もギリシア神話のヘラクレス伝説をうまく使ってる。なんと神話においては女神ヘラに狂気を吹き込まれたヘラクレスが自身の愛する妻子を殺害したことになってる。

 ええ?いきなり重すぎない?

ギリシア神話の神々はえげつないからね~。でもそれも劇中では隠された真実があるんだな。

全てラストため

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

この映画は2つの偽装というかカモフラージュがあって、ひとつはさっき言った正義と信じた側が実は悪だったってやつ。

 うんうん。もうひとつはあれかい?ヘラクレスの英雄伝説。

それだね。映画序盤でカッコよく巨大な猪やライオンと戦うヘラクレスだけど、実は彼の率いる傭兵部隊のチームワークによるものだったってこと。

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

ケンタウロスや不死の軍団も見間違いや見せ掛け。その辺は序盤から分かりやすく見せてくれる。

 うんうん。リアリティ重視やね。

で、トラキア王の善人ぶりも見せ掛けだったことがわかって、ヘラクレスたちは王と戦うことを選ぶ。そしたら王の仲間にヘラクレスの仇敵もいて、こいつが彼の家族を惨殺したことも明らかにされる。ヘラクレスの狂気はこいつが流したデマだったんだけど、ヘラクレス自身はそのことがトラウマになってたんだ。

 そらぁキツいな。

そんな彼の癒しになってるのが彼の傭兵仲間たちなんだな。お互いに支えあってる。

 モチツモタレツ?

お。いいこと言うね。チームの連中も世間からドロップアウトしたような、いわゆる一般社会からはじかれたような連中ばっかなんよ。

 オチこぼれヒーローズ?

一芸にはひいでてるんだけどね。結構こじらせちゃってるおじさんもいるし。そいつらがヘラクレスの支えになってる。

要は英雄でも一人では数々の苦難を乗り越えられないし、強大な権力には逆らえない。そもそも神の子であるわけがない。

 それが現実だよな。

からの~

 ??

ラストの圧倒的ちゃぶ台返し!

 ?!

上映中重ねに重ねた神話否定を全てひっくり返す!これは映画館で見てこそのカタルシス!

出展:Hercules (2014) – Rotten Tomatoes

何が言いたいかというと、とりあえず神話最高!ヒーロー最高!筋肉最高!オール・ヘイル・英雄伝奇!

 おお?結局おバカ映画?

ま、いろいろくっちゃべってみたけど、深くも見れるけど基本軽いノリで楽しめる神話エンタメ作品だーね!

 結局そこに落ちつくんか。

あとは原作が邦訳されたらいいんだけどなぁ~。ビジュアル面がホントいいから!The Thracian Warsの続編『Hercules: Knives Of Kush』もあるし。

出展:Hercules – Radical Publishing

 絵だけ楽しめば?

出展:Hercules – Radical Publishing

そうしよかな・・・


 てな感じで今回はこの辺で。

ほいじゃ!