東西伝奇の奇跡的クロスオーバー!妲己に誘惑されたアーサー王が戦う相手とは?神怪漫画『大唐騎士』をレビュー!

出展:講談社コミックプラス

どーもー、ヒーロー屋です。

 ジンジャーエールっす。

前回のマンガレビューがダークでハードコアすぎたから、

今回はおもしろミクスチャー系伝奇漫画『大唐騎士』を紹介するよ!

出展:コミックパーク

 また適当な語感で単語を並べよってからに・・・てか、なにがミクスチャーなんさ。

えーとね、

タイトルの大唐ってのは中国史におけるの時代のことなんよ。

 遣唐使で有名なあれか。でも騎士っていうと中世ヨーロッパのイメージだけど?

アーサー王だよ。

 ・・・はい?

 

アーサー王やってくる to China

出展:コミックパーク

アーサー王だよ。

彼を題材にした映画なら2つも紹介したでしょが。

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 どっちも舞台はヨーロッパだったはずだが・・・

 

アーサー王がはるばるヨーロッパの端っこのブリテンから、唐の国までやってくるんよ。

 なんでよ?

なんかアバロンにいったつもりが気づいたら中国に来てたって。(アバロンってのはアーサー王が敵との最終決戦で負傷した後に向かったこの世ならざる地だよ。)

エドワード・バーン=ジョーンズ 《アーサー王のアヴァロンでの最後の眠り》

 雑!距離感ムチャクチャやん。

で、狐鈴(こりん)という少女と出会うんだけど、その正体はなんと九尾狐狸精(きゅうびこりせい)

ぶっちゃけ神怪小説や少年ジャンプのマンガでおなじみ『封神演義』妲己(だっき)だよ。

葛飾北斎 『北斎漫画』より《殷の妲己》

 ヒュ――ッホホホの人だな。

出展:封神演義 – 集英社コミック文庫

いきなり奇声あげんなしw

 アーサー王vs中華妖怪か。

 

いや、なんか仲良くなって、アーサーは彼女のことコーリンとか呼んじゃってる。

 ええ、マーリン的な?

 

純粋なアーサーはまんまと狐鈴のうそを真に受けて、か弱い彼女を守るために悪の妖怪たち(悪とは言ってない)と戦うことになるんよ。

 あちゃー、こりゃ紂王(ちゅうおう)路線まっしぐらだぁ。

 

 

で、最初の敵が三蔵法師ご一行だったりする。

 えー?! あ!『西遊記』って唐の時代が舞台だっけ。

まさしく東西伝奇物語のミクスチャー!

 だから使い方あってんの?

気にしたら負けだ!猪八戒(ちょ はっかい)なんかアーサーオーク扱いされた挙句、瞬殺されてんだぞ!

 誰にキレてんだ。てか、オークってブタなんだ・・・

それでも悟空なら…悟空ならきっと何とかしてくれる…!!

 

メガテニスト大歓喜!

まあ沙悟浄さ ごじょう三蔵法師斉天大聖こと孫悟空そん ごくうアーサーふるうエクスカリバーの前に敗れ去るわけなんだけど。

 ダメじゃん。つーかアーサー王ってそんなに人間離れした連中に勝てるほど強かったっけ?

巨人退治とかはしてるからそれなりには。

 

一応、悟空たちは伝奇小説『西遊記』以前、宋代の講談での姿と名称で出てくるんで、弱体化してる(ていうか強化前というべき?)ともとれなくもない。三蔵法師はめっちゃガタイがいいけど。

 ややこしいな。

ま、単純に作者が遊び心で描いた短編だったからかませ犬的に出したらしいけど、意外に連載が続いて単行本になったんだって。

 悟空たちは1話限定のキャラだったから瞬殺されたのか。じゃあ他にも中国妖怪たちが出てくんの?

けっこう珍しい連中が出てきて、伝奇ものとか妖怪好き、もっと言えばメガテニスト的にはうれしい展開。

 

 そんなに女神転生シリーズやってたっけ?

出展:4Gamer

真1(iPhone版)はクリア、デビルサマナーと真3ノクターンはラスト近くまで・・・・

 中途半端やな~、どうしてそこでやめるんだ、そこで!

長すぎて心が折れるんだよ

なんて話は置いといて、

狐鈴、というかコーリンがアーサーに隠れて復活させて、配下にした四凶がいい味だしててね。

 四凶?

古代帝王の末裔にして暴虐の4匹の魔獣・・・

 また中2だぁ。

言ってるほうだって恥ずかしいんだから。

中国神話に登場する渾沌(こんとん)・饕餮(とうてつ)・窮奇(きゅうき)・檮杌(とうこつ)の四柱の邪神だよ。

 

 あー、女神転生に出てきたようなのがチラホラ・・・

おもしろいのが、こいつらコーリンのことはっきり妲己って呼んでることかな。

 やっぱヒュ――ッホホホじゃん。

怖いからやめて。

で、

こいつら邪神4人組と対応する形で四霊なる守護聖獣も登場!

麒麟(きりん)・鳳(ほうおう)・亀(き、霊亀)・竜(りゅう、応竜)が四凶と戦うんよ。

 

 たしかにメガテンぽくなってきた。

さらにそいつらの上にラスボス的な立ち位置で托塔天王(たくとう てんのう)まで出てくる。

 『水滸伝』で聞いたような名前だな。

梁山泊の首領 晁蓋(ちょう がい)さんのあだ名だね。要は毘沙門天だよ。

あと、上杉謙信だったり楠木正成だったり李靖だったりもする。

 いや、ややこしいの増やすな。そうそうたる歴史上の英雄たちではあるけど、謙信は自称だろ。でも李靖ってたしか『封神演義』にも出てきてたよな。

あっちだとあんまし強くないけどね。

 じゃあ息子の哪吒 (なただったりなたくだったりするは?

残念ながら出てこないね。絵柄的にはすごくあってそうなマンガなんだけど、たぶん主役のアーサーが食われちゃうからなぁ。

あくまで托塔天王がメインの敵役だから。

 

スーパー東西伝奇大戦

ただし決戦ではランスロットに憑依してアーサーと戦うんだけど。

《Lancelot at the Chapel》 (『The Book Of Romance』より)

 およっ?ランスロットまで出てくんの?

ほんとはアーサーをアヴァロンに連れ戻しに来たんだけど、あわれ托塔天王の操り人形と化してしまう、っていうね。

あと他の円卓の騎士、ガウェインパーシバルケイまで登場!

 !・・・・・・・・この中に一人、円卓の騎士のくせに実力が伴わないやつがおる。おまえやろ。

ケイ「いやあれは剣が折れたせいだから、今、弟のアーサーに替えの剣を取りに行かせたから」

 おまえやー!

限定能力上昇も得意武器とかもないからねぇ。なぜかトリスタンやギャラハドは助けに来ないのか。カラドックでもいいぞ。ちなみにケイはウェールズの伝承『マビノギオン』だとスーパーパワー持ちらしけど。

 

あとアーサーの腹心にして魔術師 マーリンも幻影として登場。

Howard Pyle 《The Enchanter Merlin》

アーサーに余計な助言をしてくれる。「聖杯を探すのじゃ」って。

 余計なのw?

基本的にアーサー&コーリンが中国の守護神とか仏教神をぬっ殺してく話しだし。

 ボニー&クライドかよ。

中華伝奇版のね。しかもその毒牙が日本にまで迫る。

 うわw 対岸の火事と思ってたら。

さっきのマーリンの余計な助言やら、コーリンの入れ知恵でさ。

聖者=聖徳太子の血で長年求め続けた聖杯を作ろう、ってことになってさ。

 太子逃げてー 超逃げてー!

なんか太子の持つ草薙の剣(?)とエクスカリバーが呼び合うような描写もあるし、もうなんでもありなんだけどさ。

 そもそも唐代なら、もう聖徳太子死んでるよな。マジでネタマンガだな。

一応、老人として登場はするんだけど。

ま、たしかに内容だってそんなにあるわけじゃないしね。

主人公アーサーのキャラもヒロイックに過ぎて、イマイチ薄いのが難点だけどその分、他が濃いんで無問題なんよ。

 そういうもんかね。

なんせ、托塔天王や他の四天王に夜叉や羅刹、四霊・四凶といった中国の神怪がここまでいきいきと描きこまれてるマンガはそうそうないと思うんよ。

古来からのデザインを崩さずにしかもモンスターチックにカッコよく描かれた妖怪・魔獣・聖獣・四天王が見開きで暴れまわるさまは一見の価値ありだね。

中国伝奇に興味ありな人ならおススメだよ!

 


 じゃあ今回はこの辺で。

ほいじゃ!